バニラの甘い罠♡

アイスクリーム、ウェハース、プリンなど、なぜか惹きつけられるバニラの香り。

よく、「電車で香るバニラのような甘ったるい香りが苦手!」というお声を聞きます。
でも、バニラビーンズが入ったプリンやアイスは食べちゃいますよね?
(甘くて食べられないのは別として。)

実は天然バニラの精油は、甘い中にも苦みがある大人な香りですが、子供からも愛されるどこか懐かしい成分が入っているため、本物の香りは思っていたより好まれる傾向にあります。

バニラはさやが醗酵して芳しい香りになるのですが、お花の時には香りを感じない不思議な植物です。

華やかさもなく、お花に香りがあるわけでもない。
これが人間だったら「自分の魅力って」と辛く感じるところです。
それでもへこたれずに、魅力を開花させたのは花盛りの後。
植物だって生き抜き、子孫繁栄に繋げようと必死です。

バニラに含まれる香気成分は250以上あるのではと推測され、特徴成分の「バニリン」が人を惹きつけるといわれています。
母乳に含まれていることで有名なバニリンですが、実は羊水の成分と似ていてお母さんのお腹の中にいるような安心感に包まれ、守られているようでホッと落ち着くそうです。

また、香りを嗅ぐと皮膚へ接触する物質が暖かく感じるようで、「ぬくもり」を感じる方もいるかもしれません。天然バニラの持つ「安心感」×「ぬくもり」は、本能が心地よいと感じる甘い誘惑でもありますね。

ちなみにバニリンを含む香料は他にもありますが、バニラ以外にこの成分が含まれる食べ物は日本人になじみのある梅干しにも入っているといわれているので驚きですよね。

環境や授粉・醗酵など、とても手間がかかかり、高価なスパイスで香りの抽出も少量ですが、魅惑的な香りを放つために大変でも育てられている植物の1つです。

天然バニラの精油で香水を創ると、なぜかまた会いたくなるような感覚に陥るのはそのような理由があるのかもしれません。

植物の涙ぐましい努力から放つ香り成分が人肌のぬくもりから空気中に、嗅覚から本能へと届き、人を引き寄せる甘い罠を放っているように感じます。

あきらめない努力としたたかさを感じるバニラ。
少し、見方が変わりそうですよね。

よく読まれている関連記事

  1. デキる人・モテる人の匂い 1

  2. 言葉の違い

  3. 食べ物と体臭